
米国株クラスタでまた面白いETFが出てきました。その名も、DRAM(Roundhill Memory ETF)。名前があまりにも直球です。ひねりゼロ。潔すぎる。
でも中身を見ると、これはかなり面白いETFです。AIブームの中心といえば、どうしてもNVIDIAやBroadcom、TSMCのような半導体銘柄に目が行きがちですが、その裏側で重要性が一気に高まっているのがメモリー半導体です。
生成AI、データセンター、AIサーバー、高性能GPU。これらが本気で動くためには、演算性能だけではなく、大量のデータを高速に読み書きするメモリーが必要になるのですが、そのメモリー領域にかなりピンポイントで投資できるのが、今回紹介するDRAMです。
DRAMとは?
DRAMは、Roundhill Investmentsが運用する米国上場ETFです。正式名称はRoundhill Memory ETF。ティッカーはそのままDRAMです。
このETFは、HBM、DRAM、NAND、SSD、HDDなど、メモリーやストレージ関連の企業に投資するテーマ型ETFです。ざっくり言えば、AI時代に必要なメモリー半導体企業へまとめて投資できるETFです。
Roundhill公式では、DRAMを「メモリー株に特化した初のETF」と説明しています。半導体ETFはこれまでもSMHやSOXXなどがありましたが、DRAMはよりメモリー領域に絞った商品です。
DRAMの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Roundhill Memory ETF |
| ティッカー | DRAM |
| 上場市場 | Cboe BZX |
| 設定日 | 2026年4月2日 |
| 経費率 | 0.65% |
| 運用スタイル | アクティブ運用 |
| 主な投資対象 | HBM、DRAM、NAND、SSD、HDDなどのメモリー関連企業 |
経費率0.65%は、S&P500やNASDAQ100系の低コストETFと比べると高めです。ただ、テーマ特化型ETFとして見れば、そこまで異常に高い水準ではないと思います。
ただし、これはあくまでコア資産ではなくテーマETFです。私の中では、S&P500やFANG+、NASDAQ100のように資産形成の本体にする商品ではなく、「AI半導体テーマをさらに濃く取りに行くためのスパイス枠」という位置づけです。
関連記事:同じくテーマ型ETFのAGIXについても記事書いてます

DRAMの構成銘柄
DRAMの中身はかなり尖っていて、2026年4月2日時点のファクトシートでは、上位構成銘柄は以下のようになっています。
| 銘柄 | 比率 |
|---|---|
| Samsung Electronics | 24.99% |
| SK hynix | 24.22% |
| Micron Technology | 23.83% |
| Kioxia Holdings | 4.87% |
| Sandisk | 4.66% |
| Western Digital | 4.64% |
| Seagate Technology | 4.49% |
| Nanya Technology | 3.95% |
| Winbond Electronics | 2.35% |
上位3社だけで約7割を占めます。Samsung、SK hynix、Micron。まさにメモリー半導体の主役級企業です。
これを見た瞬間に、「これは分散ETFというより、メモリー3強にまとめて張るETF」だと感じました。
良く言えば、テーマの純度が高い。悪く言えばかなり集中しています。
なぜDRAMが注目されているのか
理由はシンプルです。AIに必要なのはGPUだけではないからです。
もちろん、AIブームの中心にいるのはNVIDIAです。GPUはAI計算の心臓部ですし、NVIDIAの存在感は圧倒的です。
でも、AIサーバーを動かすには、GPUだけでは足りません。大量のデータを高速に処理するためのメモリーが必要になります。特にHBMのような高帯域幅メモリーは、AIインフラの重要部品になっています。
AIが広がれば広がるほど、計算するためのGPUだけでなく、その周辺にあるメモリー、ストレージ、データセンター関連の需要も増えていきます。
つまりDRAMは、「NVIDIAそのもの」ではなく、「AIインフラのメモリー側」に張るETFです。この視点はかなり面白いです。
DRAMのメリット
メモリー半導体にピンポイントで投資できる
最大のメリットは、やはりメモリー半導体への純度です。
SMHやSOXXのような半導体ETFでも、半導体テーマには投資できます。ただ、それらはNVIDIA、Broadcom、AMD、TSMC、ASMLなど、半導体全体を広くカバーする商品です。
一方でDRAMは、かなりメモリー寄りです。
「AI半導体の中でも、HBMやDRAM、NANDにより強く張りたい」という人にとっては、かなり分かりやすいETFです。
SamsungやSK hynixにアクセスしやすい
日本の個人投資家にとって、SamsungやSK hynixへ直接投資するのはやや面倒です。米国株のように簡単に買える銘柄ではありません。
その点、DRAMを使えば、Samsung、SK hynix、Micronといったメモリー大手にまとめてアクセスできます。
特にSK hynixはHBM分野で存在感が大きく、AIメモリー需要を語るうえで外せない企業です。そこにETF経由で投資できるのは、DRAMの大きな魅力だと思います。
AIブームの別ルートを取りに行ける
AI投資というと、どうしてもNVIDIA、Microsoft、Google、Meta、Amazonあたりに集中しがちです。
もちろんそれで十分強いです。私自身もFANG+やNASDAQ100、S&P500を軸にしているので、AIの恩恵はすでにかなり取れています。
ただ、「もう少し違う角度からAIインフラに張りたい」と考えるなら、DRAMは面白い選択肢になります。
NVIDIAに直接張るというより、NVIDIAのGPUが売れれば売れるほど重要になる周辺領域に張るイメージです。
DRAMの注意点
構成銘柄がかなり集中している
DRAMはETFですが、広く分散されたETFではありません。上位3社だけで約7割。これはかなり集中しています。
つまり、Samsung、SK hynix、Micronの業績や株価にかなり左右されます。
ETFという名前だけ見て「分散されていて安心」と考えるのは危険です。中身はかなり尖っています。
メモリー市況はサイクルが激しい
メモリー半導体は、需要と供給のバランスで価格が大きく動きます。
AI需要が強いときは一気に盛り上がりますが、供給が増えすぎたり、価格が下がったりすると、関連銘柄の株価も大きく調整する可能性があります。
半導体はもともと景気敏感なセクターです。その中でもメモリーは市況変動の影響を受けやすい領域です。
ここはかなり重要で、「AIだから永久に上がる」ではありません。
AI需要は引き続き強い。でも株価は期待を先に織り込みます。ここを忘れると、高値掴みして握力だけ試される展開になります。
すでに上がっている可能性がある
DRAMはかなり話題性があります。こういうテーマETFは、注目されたタイミングではすでに資金が入り込んでいることも多いです。
魅力的なテーマであることと、今すぐ全力で買っていいことは別なので、ここは分けて考えた方が良いですね。
自分なら勢いで飛びつくよりも、まずは少額で様子見。で、大きく買うなら半導体全体やNASDAQが調整したタイミングを狙いたいです。
でもそのタイミングが難しい。ってか誰であってもそれは読めません。読めるという人は詐欺師かガチの天才かのどちらかです。
DRAMはどこの証券会社で買える?
DRAMは、米国上場ETFなので、日本の証券会社で買えるかどうかは各社の取扱状況によります。
2026年6月時点では、SBI証券でDRAMの取扱が始まりました。松井証券でも取扱開始が案内されています。
一方で、楽天証券では現時点でまだ取扱確認ができていません。
コツ男は楽天証券も使っているので、ここは少し残念。楽天でも買えるようになれば、かなり触りやすくなると思いますが、まぁそのうち取り扱いは始めると思います。
DRAMは買いなのか?
個人的な結論としては、DRAMはかなり面白いですが、主力にするETFではないと思っています。
理由はシンプルで、すでにS&P500、NASDAQ100、FANG+を持っている人は、AI・半導体の恩恵をある程度取れているからです。
そこにDRAMを大きく足すと、かなり半導体寄りになります。
私の中では、DRAMは以下のような位置づけです。
- 資産形成の本体ではない
- NISAの主力でもない
- S&P500やFANG+の代わりでもない
- AIメモリー需要に追加で張るスパイス枠
- 買うなら少額から
- 高値追いより調整時に拾いたい
つまり、DRAMは「なくても困らないけど、少し持っていると楽しいETF」という感じでしょうか?こういう商品は、投資家のテンションを上げてくれます。米国株好きとしてはかなり好物ですw
でも、その場のテンションだけで買うとだいたい碌なことになりません。買うならちゃんと枠を決めるべきです。
私ならどう買うか
私なら、DRAMは夢枠・テーマ枠のサテライト枠として扱います。
具体的には、総資産の中で大きく持つのではなく、スパイス枠の一部として少額で保有するイメージです。
すでにFANG+、NASDAQ100、S&P500を持っているなら、AIや半導体への露出は十分あります。そこにDRAMを足すなら、「足りないから買う」のではなく、「もっと濃くしたいから少し足す」という考え方が妥当です。
個人的には、いきなり大きく買うよりも、まずは数株から。
その後、NASDAQや半導体セクターが調整したときに少しずつ追加するくらいが現実的だと思います。
逆に、話題になっているからといって一括で大きく買うのは避けたいです。
DRAMは面白い。でも、面白い商品ほど買い方を間違えるとしんどいです。
DRAMが向いている人
個人的な見解にはなりますが、DRAMが向いているのは以下のような人です。
- AI半導体テーマに強気な人
- NVIDIA以外のAIインフラ銘柄にも投資したい人
- Samsung、SK hynix、Micronにまとめて投資したい人
- メモリー半導体の成長に期待している人
- テーマETFの値動きの荒さを理解できる人
- 少額のスパイス枠として楽しめる人
逆に、安定運用をしたい人や、ETFなら何でも分散されていて安心だと思っている人には向きません。
DRAMはかなり尖ったETFなので、刺さる人には刺さるけど万人向けではない、という点は気を付けてください。
まとめ:DRAMはAIメモリー需要に張る面白いスパイスETF
DRAMは、AI時代のメモリー半導体にまとめて投資できる、かなりユニークなETFです。
Samsung、SK hynix、Micronを中心に、Kioxia、Sandisk、Western Digital、Seagateなど、メモリー・ストレージ関連企業へ投資できます。
AIブームの中心にいるのはNVIDIAですが、その裏側ではHBM、DRAM、NANDなどのメモリー需要も拡大していますが、その流れにまとめて乗れるのがDRAMです。
ただし、注意点もはっきりしています。構成銘柄はかなり集中しており、メモリー市況の影響も強く受けます。テーマ性は強いですが、値動きも荒くなりやすいはず。
なので、私の結論はこれです。
DRAMは面白い。でも主力ではない。買うなら少額のスパイス枠。
AIメモリー需要に夢を見るETFとしては、かなり魅力があります。ただし、握力もりもり魔人ホールドするにしても、最初から全力で行く商品ではありません。
コアはS&P500やFANG+、NASDAQ100でしっかり作る。DRAMは、そこに少しだけメモリー半導体のロマンを足す。
このくらいの距離感が、いちばん長く楽しめると思います。
